うお座を見つけよう

秋の星座では、黄道12星座をいくつかご紹介してきましたが、やぎ座みずがめ座ときたら、次はうお座ですよね?他の例をあげるまでもなく、黄道12星座は結構地味な星座が多いのですが、うお座もその例に漏れず地味です。みなみのうお座に一等星があるのに、なぜにうお座にはないのだぁ?!などと、うお座の私はよく思いました、ハイ。
今回は、その地味なうお座を探してみましょう…うーむ。
探し方自体はそれほど難しくないのですが、何しろこれといった目印がありませんので、星がたくさん見える場所でないと、探すのはちょっと難しいかもしれません…(涙) でもまあ、見えるつもりで探してみましょう。ヒントになるのは、ここでもまた秋の四辺形です。

これは秋の夜に見られる星空です。
うお座の二匹の魚は、それぞれ秋の四辺形の東側と南側に見えています。
星がなんとなく輪を作って並んでいるのですが…わかります?

うお座の探しかた

マウスを重ねてみてください。この二つが、うお座の二匹の魚になるんですよ。そして二匹は、しっぽをリボンでつないでいます。…といっても、今ひとつぴんとこないだろうなあ。
星がたくさん見えるところで秋の四辺形のあたりを見ていると、「ああ、あれかな」とわかるのですが、なんの前情報もなく見ても、見当がつかないかも。「あそこにうお座がある、あるのだっ!」と思い込んで見てみましょう。なんとな〜く、そのように見えるかもしれません(笑)

ちなみに、秋の四辺形の東側に見えるのが「北のうお」南側(下)に見えるのが「西のうお」です。四辺形を基準にするとわけがわからなくなりそうですが、「星空の中で」北側に見えるうおと西側に見えるうお、ということですので、お間違いなく。

うお座のお話

うお座 画像星占いでは、うお座は二面性があるなどといわれますよね。うお座が二匹の魚の星座であることから由来するのでしょう。…なんだか安直な気がしますが(苦笑)

この二匹、ギリシャ神話では、親子の神様に見立てているんですよ。それもそんじょそこらの神様(?)ではありません。女神アフロディーテとその息子エロス、つまりビーナスキューピッドなのです。
その二人が何故に魚になってしまったかというあたりはやぎ座でご覧下さいね!

さて、アフロディーテはいわずと知れた美の女神ですが、その夫ヘーパイトスは、見た目も悪く、さえない鍛冶の神。これに飽き足らないアフロディーテは、神々や人間と度々浮気を楽しんだりしています。アフロディーテというと美しさだけがイメージにありますが、実は相当に気が多く、しかも嫉妬深いんですよ!
そして、息子エロスは恋の神。恋の矢を放つキューピッドです。子どもの姿で描かれることが多いですが、実際にはちゃんと大人になるんですよ。しかも、飛び切りハンサムな青年に、です。

この二人にまつわる、こんなオハナシがあります。

アフロディーテはあるとき、プシュケーという人間の娘が自分よりも美しいという噂を聞きつけ、その娘を苦しめようと、よからぬ事とたくらみます。息子エロスの矢で、プシュケーを、実らない恋のとりこにさせてしまおうというのです。
母に頼まれたエロスは、プシュケーの元を訪れ、恋の矢を放とうとしますが、その矢で誤って自分の手を傷つけてしまいます。エロスは、恋の矢の魔法で、懲らしめるはずの娘に恋をしてしまったのです。

このプシュケーは、あまりの美しさが災いして、三人姉妹の中で一人だけ結婚話がありませんでした。心配した父が神託を仰ぐと、「花嫁衣裳を着せ、生贄として怪物に差し出すように」とのお告げ。父は泣く泣く、お告げに従い、プシュケーを岩山に置き去りにしてしまいました。
一人取り残されたプシュケーは、風に運ばれ、やがて谷間の宮殿にたどり着きます。そこにはプシュケーのほかには誰もいないのですが、声だけがプシュケーを導き、願うことは何でもかなえてくれます。そして夜には、闇にまぎれて、屋敷の主人がプシュケーの元へやってきました…実はこの主人がエロスだったのです。
プシュケーは、優しい夫(?)に愛され、とても幸せな毎日を送りました。

でも、その幸せは長くは続きませんでした。
エロスは、自分の姿は決して見てはいけないとプシュケーに強く言い渡していました。正体が知られたら、一緒にはいられないのです。しかしプシュケーには、自分の夫の姿が見たいという思いがつのります。そしてあるとき、妹の幸せに嫉妬した姉たちにそそのかされ、ろうそくでエロスの姿を照らし出してしまったのです。
これに怒ったエロスは、プシュケーの前から姿を消してしまいました。

愛する人を失ったプシュケーは、エロスを探して、あちこちさまよいました。そして、こともあろうにアフロディーテに、エロスとあわせてくれるよう懇願したのです。しかし、元からの嫉妬に加えて息子をたぶらかした(?)娘の願いをアフロディーテが聞き入れるはずがありません。無理難題を押し付けて、プシュケーを虐め抜いたのです。
やがてプシュケーは力尽きて倒れてしまいました。

さて、一方のエロスはといえば、一度は離れたものの、どうしてもプシュケーを忘れることは出来ませんでした(そりゃそうだろうよ、矢の魔法なんだもの)。プシュケーを救い出し、神々の王ゼウスに二人の正式な結婚を願い出たのです。

こうして二人は結婚を認められ、盛大な結婚式を開いたということです。

はははー、なんだかいろんな要素が詰まったオハナシですよねぇ。天若彦(日本独自の七夕伝説)の話にもちょっと似ていますよね。こちらで意地悪をするのは姑ではなく舅なんですが。
それにしても、アフロディーテの嫉妬もなかなかすさまじいですね。白雪姫を思い出してしまった(笑) 女神のようにウツクシイ彼女をお持ちの方、そのあたりもお気をつけ下さいね?!