超高感度撮影テクニック

ペルセウス座流星群が8月13日未明に極大・超高感度カラーテレビカメラでペルセウス座流星群を撮る

映像プロデューサー:竹本宗一郎(ZERO CORPORATION

毎年お盆の頃になるとマスコミでも話題になるペルセウス座流星群。今年の極大は8月13日の未明と予想されている。
観測のタイミングは12日の夜半から13日未明にかけてで、街明かりの影響が少ない海や山など星がよく見える場所なら、1時間に50個以上の流星を見ることができるだろう。
街明かりの影響を受けるため明るい流星に限られるが、都会でもこのペルセウス座流星群を観測することが可能だ。今年は、月明かりの影響も無いため、流星撮影には絶好のチャンスだ。

デジタルカメラによる流星の撮影

流星は比較的簡単に撮影することができるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。
用意する機材は、デジタル一眼レフカメラと三脚、それに手元でシャッターを操作できるリモートスイッチ(レリーズ)。

デジタル一眼レフカメラの場合、APS-Cサイズのカメラなら35mm以下、フルサイズ(35mm判)の場合は、50mm以下のレンズが目安。
流星は夜空のどこに現れるかわからないため広角レンズの方が画面を横切る確率はもちろん高くなるが、写る流星は小さく迫力に欠けたものになる。逆に焦点距離が長くなれば画面を横切る確率は低くなるが、その分迫力のある美しい画像が撮影できる。この点を考慮して使用するレンズの焦点距離を決めよう。

満天の星が楽しめる場所なら、レンズの絞りは開放、ISO感度は800〜1600、露出時間は3分から5分程度が目安となる。ピントを無限大に合わせてファインダーを覗き、おおよその構図が決まったらリモートスイッチを押して撮影開始だ。
リモートスイッチ(レリーズ)の中には、自動的に何度も同じ露出時間での撮影を繰り返してくれる機能(インターバル撮影機能)をもつ機種もあるので、その場合は、ISO感度を1600から3200、露出時間を1分以内に設定して自動連続撮影をしてみよう。 カメラのメモリーカードへの書き込み速度(バッファ)の関係もあるが、シャッターの間隔は、5秒から10秒程度あける。この方法ならかなりの確率で流星を仕留めることができるので流星撮影には非常に便利だ。
街明かりの影響が大きい都会での撮影なら、ISO感度を200〜400程度に抑え、絞りも1段から2段絞り、露出時間は、30秒から長くても1分以内の設定で試してみよう。感度を上げすぎたり露出時間を長くするとたちまち真っ白な画像になってしまうので要注意だ。
B(バルブ)撮影ができる機種であれば、コンパクトデジタルカメラでも流星は十分撮影可能なのでぜひチャレンジしてみて欲しい。

ペルセウス座流星群は超高感度カラーテレビカメラの独壇場

肉眼で見えた流星すべてをデジタル一眼レフカメラで写すことができるかというとそうではない。実は写すことができる流星は、かなり明るくゆっくりとした動きのものに限られるのだ。
またペルセウス座流星群は、特に色の変化が美しい流星群としても知られている。多くは緑から赤色に変化しながらすばやく流れ、時に流星が流れた後に雲のように残る「流星痕」と呼ばれる現象も多く見られるのが特長だ。

天体撮影用スーパー超高感度カラーテレビカメラ「NC-R550a」では、肉眼で見られたものはもちろん、より暗い流星まで動画記録できるという、新たな流星観測ツールとして注目されている。
白黒撮影用の高感度カメラは多数存在するが、ペルセウス座流星群のように美しい色の変化を伴う流星をありのままに記録するには、EMCCDを搭載したスーパー超高感度カラーテレビカメラの独壇場だ。

流星の色の変化という新たな研究テーマを創出したこの超高感度カメラが、今年も各地でペルセウス座流星群を狙う。

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撮影:竹本宗一郎(ZERO Corporation)

著者プロフィール

竹本宗一郎(映像プロデューサー)

1968年東京生まれ。1991年大阪芸術大学芸術学部卒業。 東京吉祥寺の映像制作会社ZERO CORPORATION代表取締役。自然をフィールドにした様々な映像を制作。特に超高感度カメラによる天体撮影に精通し、CMや番組、科学館、博覧会など向けの映像を手がける。また月刊天文ガイド「ASTRONOMY VIDEO」連載のほか、「天体ビデオ撮影マニュアル」「天体ビデオ撮影入門」や「コンパクトデジタルカメラで野鳥を撮ろう!」などの著書も執筆。 業界では稀なナイトネイチャーカメラマンとして活躍中。

◇ このコンテンツは「スーパー超高感度カメラNC-R550aシリーズ」のウェブサイトに掲載されたものです。なおNC-R550aシリーズは2013年8月末を持ちまして販売を終了いたしました。