星を見る前に
「星が見たいな」と思ったその日に満天の星が見られれば、それにこしたことはないのですが、残念ながら実際にはそうもいきません。たとえばピクニック日和(びより)や海水浴日和の日があるように、星を見るときにも、それに向いた星日和の日があるんですよ!
ここでは、星を見る前に知っておきたいこと、見る際の注意事項などをご紹介します。実際に星を見る前に、ぜひ一度目を通しておいてくださいね!あなたが「せっかく出かけたのに、何も見えなかった」なんて悲しい思いをすることがありませんように。
星が見える日
「星が見えるのはどんな日か」なんていうと「晴れた日に決まってるだろ!」とお叱りをうけてしまいそうですが、その通り、まずは晴れている日であることが絶対条件ですよね。でも、晴れてさえいれば見えるわけでもないんですよ。
たとえば、月が明るい日はあまり星が見えません(「月のこと」参照)。そして、湿度の高い日(じめっとした日)も、星がぼんやりとした感じに見えます。これは、空気中の水蒸気が星の光を遮ってしまうためです。晴れているのに景色がすっきり見えない日がありますよね。こういうときは、星もあまり見えません。
星がきれいに見えやすいのは、月が出ていない日、湿度の低いカラっとした日や寒い日。理由は、星が見えないときのことを考えればわかりますよね。空気中の水蒸気が少ないと、空の透明度が上がるからです。
そして、風の強い日や、雨上がりに晴れたときも、思いのほかたくさんの星が見えることがあります。こういう日は、遠くの景色が妙に近く見えたりするでしょう?これは、風や雨が空気中の塵を取り去ってくれるためです。
望遠鏡で星を見たり写真を撮ったりするのにはあまり向かないのですが、ただ星を見上げるだけならお勧めですよ。
星が見える場所
海や山、空気がきれいな所に出かけたときに、星がたくさん見えることがありますよね。これは、そういう場所は星が見える条件を兼ね備えているから。その条件とは、人工的な明かりがないこと、そして空気がきれいなことです。
星の明かりはとても弱く、外灯や街のネオンがある場所ではかき消されてしまうんです。だから、きれいな星空が見たいなら、本当は街明かりのない場所に出かけるのが一番です!
でも、なかなかそうもいきませんよね。
家の近くで星が見たいときには、なるべく明かりが少なく、空(視界)の開けた所に行きましょう。公園(外灯から離れた場所)や、河原などがいいかもしれませんね。逆に、ビルの谷間や繁華街、外灯が明るい所は、星を見るには不向きです。
ただし!星を見に行くときには十分気をつけてください!
夜、暗い場所では何が起こるかわかりません。一人ではなく、何人かで一緒に行くことをお勧めします。
私自身、人気(ひとけ)のない場所に一人で星を見に行き、怪しげな車が近寄ってくるのに気づいて、慌てて逃げた経験があります。危ない目に会わないように、十分気をつけてくださいね!
追記:近ごろは熊の出没も多いので、慣れた場所だからと過信せず、十分対策をしてお出かけくださいね。