超高感度撮影テクニック

リモートコントロールシステム

映像プロデューサー:竹本宗一郎(ZERO CORPORATION

ネイチャー撮影用スーパー超高感度カラーテレビカメラ「NC-R550n」のカメラ設定は、背面にある5つのプッシュスイッチを操作して行われる。
通常の三脚撮影では問題ないが、フィールドでの超高感度撮影では、例えば野生動物の夜間撮影など時にカメラマンがカメラから離れて撮影することが求められる。またクレーンやジブを使った撮影でもカメラを直接触れることができないため、カメラを遠隔で制御できるリモートコントロールシステムが必須となる。
NC-R550nには、専用リモートコントロールシステムのラインアップはないが、システムをオーダーで設計し構築する方法もある。

RS-232Cによるカメラ制御

先日行った特機撮影では、全長12mを超えるJIMMY JIBを使用することになり、ノートPCを使ったリモートコントロールシステムを組むことになった。
NC-R550nは、RS-232Cによるカメラ制御が行えるようになっている。そこでRS-232CからUSBへ変換するアダプタケーブル、そこから市販の延長用USBケーブル(5m)を3本つなぎ全長20mのリモートケーブルを準備、オペレート用のノートPCと接続した。

注意しなければならないのは、延長するUSBケーブル。通常USB2.0のケーブルは規格上最大でも5mまでのため、さらに延長するには信号補正機能内蔵の延長ケーブルが必要だ。このケーブルを使えば最大20mまでUSBケーブルの延長が可能となるのだ。

このリモートコントロールシステムによって、NC-R550nの殆どの機能をノートPCから制御することが可能になったため、 JIMMY JIBのリモートヘッドに搭載したNC-R550nをリアルタイムで制御し、最適なカメラ設定で撮影を続けることができた。

 

防滴仕様で耐衝撃性に優れたShieldPRO

フィールド撮影の現場では、通常のノートPCではなく、防滴仕様かつ耐衝撃性に優れたノートPCが最適だ。
昨年プエルトリコで行った海上での船上撮影では、ShieldPROによるリモート制御システムを組んだ。
撮影場所まではモーターボートで外海を移動したのだが、あいにくの天気で全身ずぶ濡れになるほどの波しぶきがかかる最悪のコンディションだった。
もちろんすべての機材をビニール袋で覆い、簡易的な防水対策を行ってはいるものの、そんな状況下でもなんの心配もなく運用できるShieldPROの信頼性は、プロの現場では欠かせない要素だ。長時間バッテリ駆動搭載モデルではおよそ12時間もの運用が可能なため、NC-R550n用のカメラリモートシステムとしては最適なノートPCといえよう。

著者プロフィール

竹本宗一郎(映像プロデューサー)

1968年東京生まれ。1991年大阪芸術大学芸術学部卒業。 東京吉祥寺の映像制作会社ZERO CORPORATION代表取締役。自然をフィールドにした様々な映像を制作。特に超高感度カメラによる天体撮影に精通し、CMや番組、科学館、博覧会など向けの映像を手がける。また月刊天文ガイド「ASTRONOMY VIDEO」連載のほか、「天体ビデオ撮影マニュアル」「天体ビデオ撮影入門」や「コンパクトデジタルカメラで野鳥を撮ろう!」などの著書も執筆。 業界では稀なナイトネイチャーカメラマンとして活躍中。

◇ このコンテンツは「スーパー超高感度カメラNC-R550aシリーズ」のウェブサイトに掲載されたものです。なおNC-R550aシリーズは2013年8月末を持ちまして販売を終了いたしました。