くじら座を見つけよう

秋の星空には明るい星が少なく、なれないうちは星座を見つけにくいのですが、探し方を覚えれば案外簡単なものも多いんですよ。今回ご紹介するくじら座もその一つ。
みなみのうお座を探すときには、秋の四辺形の西側の辺を伸ばしていきましたね。今度は、四辺形の東側の辺を伸ばしてみましょう。

これは秋の夜に見られる星空です。
くじら座の目印は、秋の四辺形の東側の辺を下(南)に伸ばしたところに見つかる星。
そこから東側の星をつないでいくと、くじら?の姿になるんですよ。

くじら座の探しかた

マウスを重ねてみてください。四辺形の辺を伸ばして見つけた星は、くじらのしっぽの星です。そして、東側の星をつなぐとくじらの姿…?? くじらにしては変な格好をしているようですが。巨大な赤ちゃんがハイハイしているようにも見えますね。…見えない?(笑)
実はこのくじら、私たちが知っているクジラではなく、海の怪物を象った星座なんですよ!

くじら座のお話

くじら座 画像ではどんな怪物かというと…マウスを乗せてみて下さい見たこともないようなヘンな格好でしょ?これがクジラなんて、本当の鯨に失礼かも??

これは、海の神ポセイドンがエチオピアの海岸に差し向けた怪物なんです!この星座にまつわる物語は、エチオピア王家の神話としてまとめてご紹介しますので、そちらをご覧下さいね。

ここに怪物の星座が描かれたのには、この星の配置はもちろん、胸に光る星の影響もあったのかもしれません。くじら座の胸(この絵では喉のように見えますが)に位置するミラ(Mira)は変光星で、332日の周期で明るさを変えています。最も明るいときで2.0等で、街中でもそれとわかる程の明るさになりますが、最も暗いときは、肉眼では全く見えないほどになってしまうんです。Miraいうのは不思議なという意味ですが、変光星の仕組みを知らない昔の人には、本当に奇妙な星に見えたのでしょうね。
そうそう、四辺形からたどって見つけた星は、デネブカイトス(Deneb Kaitos)。夏の星座、はくちょう座にも「デネブ」という星がありましたよね。デネブとはしっぽという意味。デネブ・カイトスでくじらのしっぽという意味になるんですよ。