昔むかし、古代エチオピアにケフェウスという王様がいました。(今回は昔話風に!)ケフェウスは大変立派な王様で、国民は皆、幸せに暮らしていたのです。
ケフェウスの妃カシオペヤは、大変美しい女性でしたが、その美しさを鼻にかけ、少々高慢なところがありました。
それは自分の美しさにとどまりません。二人の間にはアンドロメダという、それはかわいらしいお姫様がいましたが、カシオペヤは我が娘が自慢でなりませんでした。そしてあるとき、ついこんなことを言ってしまったのです。
「アンドロメダの美しさには、あのネレイドたちも、足元にも及ばないわ」
ネレイドとは海の神ポセイドンに仕える妖精で、ポセイドンの孫娘にあたります。しかも、この妖精たちもまた、相当な美貌自慢でしたから(こんなのばっかりだなあ)、カシオペヤの言葉は聞き捨てなりません。ネレイドたちはかんかんに怒って、ポセイドンに泣きつきました。
かわいい孫たちを人間に馬鹿にされては、ポセイドンも穏やかではありません。カシオペヤを懲らしめようと、恐ろしい化けくじらをエチオピアに差し向けたのです。
エチオピアの海岸には、日々化けくじらが現れるようになりました。大波で農作物を押し流し、海岸では家畜や人々に襲い掛かり、エチオピアの国は大混乱です。
困り果てたケフェウスは、神様に伺いを立てました。すると、ポセイドンの怒りを鎮めるためには、アンドロメダを化けくじらの生け贄に差し出せというお告げがあったのです。
ケフェウスは、国を守るため、泣く泣くアンドロメダを海岸の岩に縛り付けました。(下に続く…)