そのほかの星座を見つけよう(夏)
夏の星座は比較的わかりやすいものが多いのですが、目立つ星座たちの間を縫うように、小さな星座が隠れていたりします。今回は、そんな星座たちを探してみることにしましょう。
ただし、わかりにくい星座ばかりなので、実際の空で見つけるのは大変かも?星がたくさん見えるところに出かけたら、どんな風に見えるか、探してみてくださいね。
夏も、たくさんの星座を見つけましたね。
他にどんな星座があるかな?それぞれのボタンを押してみてね
※夏の星座はこれで全部ではありません※
興味がある方は月ごとの星図も見てみてくださいね。
この中で一番形がわかりやすいのは、おそらくみなみのかんむり座でしょう。 いて座の足元で、暗い星がクルンと並んでいます。
ただし、暗い星ばかりなうえに高度が低いので、南側の視界が開けた、星がたくさん見える場所で探してみてくださいね。
あまり目立たない星座ではありますが、歴史は古く、紀元前3世紀に作られた詩の中にも登場しています。
一方、次にご紹介するたて座は17世紀の天文学者ヘベリウスが設立した新しい星座です。(星座としては、17世紀のものでも新しいんです!)
場所は、いて座とへび座(東側)の間辺りなのですが…うーん、これはまた、見つけにくいというかよくわからんというか。もともと星座がなかったところに後から作ったくらいですから、明るい星も目立つ星の並びもないんです。
ヘベリウスはもともとこの星座を、ソビエスキーのたて座という名前で呼んでいました。ソビエスキーというのは当時のポーランドの王様です。ポーランド生まれのヘベリウスは、おそらく王様の援助を受けて天文の研究をしていたのでしょう。ようするにヘベリウスのスポンサーです。ヘベリウスは、スポンサー広告(?)を星座として作ってしまったというわけです。
実は当時、権力者の名を冠した星座がこのほかにも盛んに作られたのです。ただ、その後の星座の統一で、そのほとんどは採用されませんでした。しかしたて座は、王様の名前は消されたものの、正式な星座としてしっかり残された、というわけです。(ソビエスキーもびっくりですね!)
このほかにも、このころの天文学者によって、既存の星座の隙間に新設された星座がいくつか見られます。
こぎつね座もその一つ。設立者はたて座と同じヘベリウスです。キツネがくわえているのはガチョウだそうで、もともとヘベリウスは「がちょうをもっているきつね座」という名付けたようですが…その名前では、ちょっと長すぎますね(笑)
それにしても、この暗い星ばかりのスペース(?)に、なぜガチョウをくわえたキツネを想像したんでしょうか…スゴい想像力です!
最後にもう一つ。
これもなんだか隙間っぽいですが、実はしっかり歴史のある星座、や座です。
はくちょう座とわし座の間にありますが、この特徴的な星の並びは、星がたくさん見える場所なら意外と簡単に見つけられます。
この矢は、ヘルクレスの矢とも言われているようですが、個人的にはエロス(キューピッド)の矢という解釈のほうが好き。恋の矢の星座なんて、探し出せたら、いいことがあるかもしれませんよ!?(いいことがなくても責任は持てませんので、あしからず)
なお、エロスにまつわる神話は、秋の星座うお座でご紹介していますので、そちらもご覧くださいね。